■■■■開発素句報2001年、238号、437句■■■■

     1月61句  4月33句  7月40句  10月25句
     2月43句  5月16句  8月38句  11月23句
     3月44句  6月 9句  9月66句  12月39句    表紙に戻る

■■■■2001年1月、61句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-001 01.01.01 -k3 -r158
  謹賀新年
  物指の肩の丸みも千代の春      ハードエッジ  00.12.31 日
  蛇口捻れば水の氾濫おめでたう    ハードエッジ  00.12.31 日
  なで肩も怒るる肩も福袋       ハードエッジ  00.12.31 日

■■開発素句報抜 01-002 01.01.02 -k3 -r158
  山の端の金糸銀糸や初日の出     ハードエッジ  01.1.1 月
  美しく枯野を染めて初日の出     ハードエッジ  01.1.1 月
  枯野より出られずにをる枯野かな   ハードエッジ  01.1.1 月

■■開発素句報抜 01-003 01.01.03 -k9 -r158
  紅白は白妙の富士初日の出      ハードエッジ  01.1.2 火
  青空や地は木枯しのほしいまま    ハードエッジ  01.1.2 火
  振袖の重さ羽子板の重さかな     ハードエッジ  01.1.2 火
  左手は羽子をつかねど袂持つ     ハードエッジ  01.1.2 火
  羽子つく音絶えて歓声上りけり    ハードエッジ  01.1.2 火
  羽子つくや齡の数を越えもせず    ハードエッジ  01.1.2 火
  からかんと羽子を捉へて屋根瓦    ハードエッジ  01.1.2 火
  手毬唄うたふはたちの妹よ      ハードエッジ  01.1.2 火
  新年の小さき仏にチューリップ    ハードエッジ  01.1.2 火

■■開発素句報抜 01-004 01.01.04 -k3 -r158
  いくたびも狸食はれて手毬唄     ハードエッジ  01.1.3 水
  元日や雀の衆のどつと来て      ハードエッジ  01.1.3 水
  水仙のかげ明らかにゆれにけり    ハードエッジ  01.1.3 水

■■開発素句報抜 01-005 01.01.05 -k4 -r158
  水仙や両刃の剣に守られて      ハードエッジ  01.1.4 木
  水仙に雪解の水奉る         ハードエッジ  01.1.4 木
  水仙のかくも大きく黄泉の国     ハードエッジ  01.1.4 木
  うす皮のおのづからむけ水仙花    ハードエッジ  01.1.4 木

■■開発素句報抜 01-006 01.01.07 -k1 -r157 -sk1
  雨風のなくてただただ寒きかな    ハードエッジ  01.1.7 日

■■開発素句報抜 01-007 01.01.08 -k2 -r156
  富士に舞ふ鷹も目出度や寝正月    ハードエッジ  01.1.8 月
  ぽこぽこと初珈琲を奏でたる     ハードエッジ  01.1.8 月

■■開発素句報抜 01-008 01.01.09 -k5 -r156
  降る雪の闇の中より除夜の鐘     ハードエッジ  01.1.9 火
  玉砂利を下駄踏み行くや初御空    ハードエッジ  01.1.9 火
  初御空零式艦上戦闘機        ハードエッジ  01.1.9 火
  解かれて畳の上の水仙花       ハードエッジ  01.1.7 日
  振り乱す黒髪もなし雪女郎      ハードエッジ  01.1.8 月

■■開発素句報抜 01-009 01.01.10 -k1 -r158
  寒梅やむかしの菓子に石衣      ハードエッジ  01.1.10 水

■■開発素句報抜 01-010 01.01.11 -k1 -r158
  橋をそれ川面の雪となりにけり    ハードエッジ  01.1.11 木

■■開発素句報抜 01-011 01.01.13 -k1 -r158 -sk1
  木枯しの銀座ますます美しき     ハードエッジ  01.1.13 土

■■開発素句報抜 01-012 01.01.14 -k1 -r159 -c
  水鳥を浮べて眠る近江の海      ハードエッジ  01.1.14 日

■■開発素句報抜 01-013 01.01.15 -k1 -r158
  侘助の白ころがりし畳かな      ハードエッジ  01.1.15 月

■■開発素句報抜 01-014 01.01.16 -k1 -r158
  水仙は誰が花なるや初句会      ハードエッジ  01.1.15 月

■■開発素句報抜 01-015 01.01.17 -k1 -r152
  ひと呼吸あつて喝采初句会      ハードエッジ  01.1.17 火

■■開発素句報抜 01-016 01.01.18 -k1 -r152
  日は長くなりつつ寒さつのりつつ   ハードエッジ  01.1.17 水

■■開発素句報抜 01-017 01.01.20 -k1 -r152 -sk1
  大寒のこれ銀杏の木これ桜の木    ハードエッジ  01.1.20 土

■■開発素句報抜 01-018 01.01.21 -k2 -r152
  大寒や瞼に当る日の光        ハードエッジ  01.1.21 日
  雪の上に針のごとくにのぞくもの   ハードエッジ  01.1.21 日

■■開発素句報抜 01-019 01.01.22 -k1 -r152
  大寒の金星得たる角力取       ハードエッジ  01.1.21 日

■■開発素句報抜 01-020 01.01.23 -k2 -r153
  ベランダの手すりに小さき雪だるま  ハードエッジ  01.1.22 月
  吹く風に首筋細う雪だるま      ハードエッジ  01.1.22 月

■■開発素句報抜 01-021 01.01.24 -k1 -r154
  堅炭に鋼の響きありにけり      ハードエッジ  01.1.23 火

■■開発素句報抜 01-022 01.01.25 -k1 -r155
  がりがりとガリ版を切る霜夜かな   ハードエッジ  01.1.24 水

■■開発素句報抜 01-023 01.01.26 -k1 -r153
  ばらばらとヘリコプターの枯野かな  ハードエッジ  01.1.26 金

■■開発素句報抜 01-024 01.01.27 -k1 -r152
  白息の愛の言葉のくすぐつた     ハードエッジ  01.1.26 金

■■開発素句報抜 01-025 01.01.28 -k6 -r153
  降る雪に重たき鯉の沈みをる     ハードエッジ  01.1.27 土
  屋上に吹雪のレンズありにけり    ハードエッジ  01.1.27 土
  着ぶくれてテレビに相槌を打つて   ハードエッジ  01.1.27 土
  美しき雪夜の窓に映りをる      ハードエッジ  01.1.27 土
  逢ひに行く雪夜の月の美しく     ハードエッジ  01.1.27 土
  びゆうびゆうと風の中なる破魔矢かな ハードエッジ  01.1.27 土

■■開発素句報抜 01-026 01.01.29 -k4 -r153
  雪礫壁に当りて落ちて来ず      ハードエッジ  01.1.28 日
  叫びをる顔に当れり雪礫       ハードエッジ  01.1.28 日
  受け止めてまた投げ返す雪礫     ハードエッジ  01.1.29 月
  雪にまみれ湯気をまとひて雪合戦   ハードエッジ  01.1.29 月

■■開発素句報抜 01-027 01.01.30 -k1 -r154
  雪合戦白兵戦となりにけり      ハードエッジ  01.1.29 月

■■開発素句報抜 01-028 01.01.31 -k2 -r152
  ことごとく薄氷を踏み砕き行く    ハードエッジ  01.1.30 火
  氷の鏡枯野の中に隠し置く      ハードエッジ  01.1.30 火

■■開発素句報抜 01-029 01.02.01 -k9 -r151
  短日や白木にペンキ塗りをれば    ハードエッジ  01.1.31 水
  枯蓮の動いて音のなかりけり     ハードエッジ  01.1.31 水
  赤不動青不動ある枯野かな      ハードエッジ  01.1.31 水
  音楽を吐くや枯野の拡声器      ハードエッジ  01.1.31 水
  探梅や青き空には白き月       ハードエッジ  01.1.31 水
  手袋の五本の闇の行方不明      ハードエッジ  01.1.31 水
  田も畑もわからぬままに橇の道    ハードエッジ  01.1.31 水
  三日月を刺し貫ける氷柱かな     ハードエッジ  01.1.31 水
  ずんぐりと牡蛎船に夜来たりけり   ハードエッジ  01.1.31 水


■■■■2001年2月、43句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-030 01.02.02 -k1 -r152
  雪つぶて白くはぜるも恋心      ハードエッジ  01.2.1 木

■■開発素句報抜 01-031 01.02.04 -k2 -r155 -sk1
  うすらひにぶすりと刺さる棒の先   ハードエッジ  01.2.2 金
  ずぶずぶとうすら氷を割る棒の先   ハードエッジ  01.2.4 日

■■開発素句報抜 01-032 01.02.05 -k1 -r155
  玉砂利の月の光の落椿        ハードエッジ  01.2.5 月

■■開発素句報抜 01-033 01.02.06 -k1 -r155
  立春の望遠レンズずずずいと     ハードエッジ  01.2.6 火

■■開発素句報抜 01-034 01.02.07 -k1 -r157
  春立つや寒暖計の赤き玉       ハードエッジ  01.2.7 水

■■開発素句報抜 01-035 01.02.08 -k2 -r157
  春の海音符のごとく島を配し     ハードエッジ  01.2.8 木
  つぶらなる春の燈でありにけり    ハードエッジ  01.2.8 木

■■開発素句報抜 01-036 01.02.09 -k2 -r158
  おぼろ夜の妻にかすかないびきありて ハードエッジ  01.2.9 金
  しやぼん玉ひとつにならんとして弾け ハードエッジ  01.2.9 金

■■開発素句報抜 01-037 01.02.10 -k1 -r158
  吹く風に枝垂桜の重たさう      ハードエッジ  01.2.9 金

■■開発素句報抜 01-038 01.02.11 -k1 -r159
  目つむりて頭を流す春の夜      ハードエッジ  01.2.11 日

■■開発素句報抜 01-039 01.02.12 -k1 -r159
  針供養牙の果なる糸切歯       ハードエッジ  01.2.11 日

■■開発素句報抜 01-040 01.02.13 -k4 -r159
  如月や靴下の丈足袋の丈       ハードエッジ  01.2.13 火
  菜の花の中なる母校すでになし    ハードエッジ  01.2.13 火
  うららかや棒の如くに卵焼      ハードエッジ  01.2.13 火
  水飲んで遊びにゆくやチューリップ  ハードエッジ  01.2.13 火

■■開発素句報抜 01-041 01.02.14 -k3 -r158
  紅梅に暮れゆくバレンタインディ   ハードエッジ  01.2.14 水
  紅梅に暮れ白梅に明けにけり     ハードエッジ  01.2.14 水
  紅梅にふくよかな風吹く夜かな    ハードエッジ  01.2.14 水

■■開発素句報抜 01-042 01.02.15 -k3 -r158
  がらがらと貝がら捨つる桜かな    ハードエッジ  01.2.14 水
  花満ちて赤く焼きたる弥生土器    ハードエッジ  01.2.14 水
  花満ちて縄文弥生古墳かな      ハードエッジ  01.2.14 水

■■開発素句報抜 01-043 01.02.16 -k2 -r158
  紅梅や白き湯を吐く山の宿      ハードエッジ  01.2.14 水
  月おぼろどすんと置かれ牛の舌    ハードエッジ  01.2.14 水

■■開発素句報抜 01-044 01.02.17 -k1 -r158
  チューリップ鐘の如くにがらんどう  ハードエッジ  01.2.16 金

■■開発素句報抜 01-045 01.02.18 -k1 -r158
  ぽつかりと宙に浮べりチューリップ  ハードエッジ  01.2.17 土

■■開発素句報抜 01-046 01.02.19 -k4 -r160
  うすら氷の松葉崩しとなりにけり   ハードエッジ  01.2.18 日
  うすうすとうすら氷の空ありにけり  ハードエッジ  01.2.18 日
  春風のうすもも色に吹かれをる    ハードエッジ  01.2.18 日
  遠くある山のすがたも春らしく    ハードエッジ  01.2.18 日

■■開発素句報抜 01-047 01.02.20 -k1 -r156
  ものの芽の紫の皮硬くとも      ハードエッジ  01.2.20 火

■■開発素句報抜 01-048 01.02.21 -k2 -r157
  ほほゑみのこぼるるごとく桃の花   ハードエッジ  01.2.20 火
  火のごとき恋にはあらず桃の花    ハードエッジ  01.2.20 火


■■■■2001年3月、44句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-049 01.03.01 -k4 -r157 -sk7
  春雨の上りて雫落つるなし      ハードエッジ  01.3.1 木
  春雨や湯舟に水を入るる音      ハードエッジ  01.3.1 木
  春雨や夜はうつ伏せに寝る獣     ハードエッジ  01.3.1 木
  われもまた通りすがりや春時雨    ハードエッジ  01.3.1 木

■■開発素句報抜 01-050 01.03.02 -k1 -r157
  桃の枝の小さな方を文机に      ハードエッジ  01.3.1 木

■■開発素句報抜 01-051 01.03.05 -k5 -r157 -sk2
  永き日の旅にわが家の懐かしき    ハードエッジ  01.3.3 土
  いくたびも子の名を呼んで暮れかぬる ハードエッジ  01.3.3 土
  昼の雨止んで明るき蛙かな      ハードエッジ  01.3.3 土
  春暁の自転車で来し浜辺かな     ハードエッジ  01.3.3 土
  囀りの雲より落つる雲雀かな     ハードエッジ  01.3.3 土

■■開発素句報抜 01-052 01.03.06 -k3 -r157
  啓蟄や紫色の鳶のズボン       ハードエッジ  01.3.4 日
  啓蟄の電車のドアが一斉に      ハードエッジ  01.3.5 月
  住みたれば都の桜咲きにけり     ハードエッジ  01.3.5 月

■■開発素句報抜 01-053 01.03.07 -k2 -r156
  1バウンド2バウンド春来たりけり  ハードエッジ  01.3.6 火
  揚煎餅丸く春燈黄金色        ハードエッジ  01.3.6 火

■■開発素句報抜 01-054 01.03.08 -k3 -r156
  雛壇は夕焼の色でありにけり     ハードエッジ  01.3.7 水
  ぼつてりと重たきものに春の月    ハードエッジ  01.3.7 水
  顔を上げたるごとく春の月      ハードエッジ  01.3.7 水

■■開発素句報抜 01-055 01.03.09 -k1 -r158
  春の灯の点いて切なき灯なりけり   ハードエッジ  01.3.8 木

■■開発素句報抜 01-056 01.03.10 -k1 -r157
  春の雪埃のごとく舞ひ初むる     ハードエッジ  01.3.9 金

■■開発素句報抜 01-057 01.03.13 -k1 -r157 -sk2
  春の水箸や茶碗を沈ませて      ハードエッジ  01.3.13 火

■■開発素句報抜 01-058 01.03.14 -k2 -r157
  チューリップ真赤に裂けてきたりけり ハードエッジ  01.3.13 火
  どこまでも空青くして春うれひ    ハードエッジ  01.3.13 火

■■開発素句報抜 01-059 01.03.15 -k1 -r157
  ゴム風船ぶりぶりと空かけめぐる   ハードエッジ  01.3.14 水

■■開発素句報抜 01-060 01.03.16 -k1 -r156
  ころころと転がるものに春の山    ハードエッジ  01.3.16 金

■■開発素句報抜 01-061 01.03.18 -k1 -r155 -sk1
  春の夜の針千本は誰のため      ハードエッジ  01.3.18 日

■■開発素句報抜 01-062 01.03.19 -k2 -r155
  春宵の乳白色の蛍光灯        ハードエッジ  01.3.18 日
  春宵の蛍光灯にふた重の輪      ハードエッジ  01.3.18 日

■■開発素句報抜 01-063 01.03.20 -k3 -r153
  丸き石を丸くぬらして春の雨     ハードエッジ  01.3.20 火
  春雨や角なき石のなほいびつ     ハードエッジ  01.3.20 火
  その人や昔の春の雨のごとし     ハードエッジ  01.3.20 火

■■開発素句報抜 01-064 01.03.21 -k2 -r153
  春暁のうす紫の電車かな       ハードエッジ  01.3.20 火
  うららかや湖の小舟の海を知らず   ハードエッジ  01.3.21 水

■■開発素句報抜 01-065 01.03.22 -k2 -r153
  春休みなれや朝からしやぼん玉    ハードエッジ  01.3.22 木
  横長にとどまつてゐるしやぼん玉   ハードエッジ  01.3.22 木

■■開発素句報抜 01-066 01.03.24 -k1 -r152 -sk1
  今はまだ人目もひかず夜の桜     ハードエッジ  01.3.23 金

■■開発素句報抜 01-067 01.03.25 -k1 -r152
  火を焚いて雨の桜となりにけり    ハードエッジ  01.3.25 日

■■開発素句報抜 01-068 01.03.28 -k2 -r155 -sk2
  花びらや鳥篭の目にひつかかり    ハードエッジ  01.3.28 水
  湖に山さぶらふや桜花        ハードエッジ  01.3.28 水

■■開発素句報抜 01-069 01.03.29 -k2 -r154
  春暁の独りでに点く電気釜      ハードエッジ  01.3.29 木
  春眠の開けてはならじ玉手箱     ハードエッジ  01.3.29 木

■■開発素句報抜 01-070 01.03.30 -k2 -r154
  新宿と渋谷の間に花の闇       ハードエッジ  01.3.29 木
  花の雨サーチライトを叩くかな    ハードエッジ  01.3.29 木

■■開発素句報抜 01-071 01.03.31 -k1 -r154
  花の雨すなはち白くけぶりたる    ハードエッジ  01.3.31 土


■■■■2001年4月、33句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-072 01.04.01 -k2 -r154
  チョコレート色の沼あり春の月    ハードエッジ  01.3.31 土
  花ふぶきざぶんざぶんと波の音    ハードエッジ  01.3.31 土

■■開発素句報抜 01-073 01.04.02 -k1 -r154
  いつかまた会ふことあらむ花の春   ハードエッジ  01.4.2 月

■■開発素句報抜 01-074 01.04.03 -k2 -r154
  大船と小舟とありて春の雨      ハードエッジ  01.4.2 月
  客船は鋼の館春の雨         ハードエッジ  01.4.2 月

■■開発素句報抜 01-075 01.04.06 -k4 -r155 -sk2
  春雷や傘のごとくに地球全図     ハードエッジ  01.4.4 水
  春雨や船に母港といふものあり    ハードエッジ  01.4.4 水
  山の湯に小便流すうららかな     ハードエッジ  01.4.4 水
  春雷や疲れて眠るしかなくて     ハードエッジ  01.4.4 水

■■開発素句報抜 01-076 01.04.10 -k1 -r154 -sk3
  日当れば影くつきりと桜かな     ハードエッジ  01.4.10 火

■■開発素句報抜 01-077 01.04.11 -k1 -r154
  たんぽぽにまぎれて白もうす紅も   ハードエッジ  01.4.11 水

■■開発素句報抜 01-078 01.04.12 -k1 -r154
  春雨やちろちろ川に水を注ぎ     ハードエッジ  01.4.12 木

■■開発素句報抜 01-079 01.04.13 -k2 -r153
  窓を閉めカーテンを引き春嵐     ハードエッジ  01.4.12 木
  灯を消して劇場のごと春嵐      ハードエッジ  01.4.12 木

■■開発素句報抜 01-080 01.04.14 -k1 -r156
  服ぬぐや卒業式を帰りきて      ハードエッジ  01.4.14 土

■■開発素句報抜 01-081 01.04.15 -k2 -r157 -c
  光陰の影ありありと飛花落花     ハードエッジ  01.4.15 日
  口びるに触れなんとする落花かな   ハードエッジ  01.4.15 日

■■開発素句報抜 01-082 01.04.17 -k1 -r157 -sk1
  うららかに寝返りをうつ鯉のゐて   ハードエッジ  01.4.17 火

■■開発素句報抜 01-083 01.04.18 -k1 -r157
  人かげも桜の影も長くのびて     ハードエッジ  01.4.17 火

■■開発素句報抜 01-084 01.04.19 -k1 -r157
  いつの間に幹ぬれゐたる花の雨    ハードエッジ  01.4.18 水
  花よりもこまかく雨のふることよ   ハードエッジ  01.4.18 水
  ゆく春やわがシャツ二枚ならび干され ハードエッジ  01.4.18 水

■■開発素句報抜 01-085 01.04.20 -k2 -r156
  石のごとく棒のごとくに虚子忌かな  ハードエッジ  01.4.19 木
  雲の上の光のごとく松の芯      ハードエッジ  01.4.19 木

■■開発素句報抜 01-086 01.04.21 -k2 -r156
  たんぽぽよりはるかに小さき花ありぬ ハードエッジ  01.4.20 金
  ゆく春や灯して長き駅ホーム     ハードエッジ  01.4.20 金

■■開発素句報抜 01-087 01.04.24 -k1 -r158 -sk2
  ゆく春やひしやげて爪切りの貌も   ハードエッジ  01.4.24 火

■■開発素句報抜 01-088 01.04.25 -k4 -r156
  ゆく春や欠けたる月を東山      ハードエッジ  01.4.24 火
  行く春の冷たき雨となりにけり    ハードエッジ  01.4.25 水
  行く春の蓋をあければオルゴール   ハードエッジ  01.4.25 水
  行く春や背骨の先の尾てい骨     ハードエッジ  01.4.25 水

■■開発素句報抜 01-089 01.04.26 -k1 -r156
  ゆく春を見送る花もなかりけり    ハードエッジ  01.4.26 木

■■開発素句報抜 01-090 01.04.27 -k1 -r156 -c
  枝の先の新緑枝の先の新緑にふれ   ハードエッジ  01.4.26 木

■■開発素句報抜 01-091 01.04.28 -k1 -r156
  たんぽぽにびつしりと夜来たりけり  ハードエッジ  01.4.28 土

■■開発素句報抜 01-092 01.04.29 -k1 -r156
  石楠花のうす桃色の山路かな     ハードエッジ  01.4.28 土


■■■■2001年5月、16句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-093 01.05.02 -k1 -r157 -c -sk2
  写真機に蛇腹の闇やみどりの日    ハードエッジ  01.5.2 水

■■開発素句報抜 01-094 01.05.03 -k1 -r155
  二時過ぎて三時を過ぎて蝶の昼    ハードエッジ  01.5.2 水

■■開発素句報抜 01-095 01.05.04 -k1 -r156
  ゆく春の紫紺の夜行列車かな     ハードエッジ  01.5.4 金

■■開発素句報抜 01-096 01.05.05 -k1 -r156
  手も足も長くなりたる子供の日    ハードエッジ  01.5.4 金

■■開発素句報抜 01-097 01.05.06 -k1 -r155
  恋猫や巴里には古き石畳       ハードエッジ  01.5.5 土
  春惜しむ仏と共にありにけり     ハードエッジ  01.5.5 土
  サイダーの中ストローの泡まみれ   ハードエッジ  01.5.5 土

■■開発素句報抜 01-098 01.05.07 -k1 -r155
  初夏の夜風に樹々の騒ぎかな     ハードエッジ  01.5.7 月

■■開発素句報抜 01-099 01.05.08 -k1 -r157
  夕暮れの五月の雨に煙りたる     ハードエッジ  01.5.8 火

■■開発素句報抜 01-100 01.05.12 -k1 -r155 -sk3
  花よりも青葉若葉の背の高き     ハードエッジ  01.5.12 土

■■開発素句報抜 01-101 01.05.13 -k1 -r155
  母の日の母の齡を妻に聞かれ     ハードエッジ  01.5.13 日

■■開発素句報抜 01-102 01.05.14 -k1 -r155
  ふるさとに君すこやかに風かをる   ハードエッジ  01.5.14 月

■■開発素句報抜 01-103 01.05.15 -k1 -r155
  軽暖の足長き人足早に        ハードエッジ  01.5.15 火

■■開発素句報抜 01-104 01.05.18 -k1 -r156 -sk2
  軽暖の影こまやかに篭目かな     ハードエッジ  01.5.18 金

■■開発素句報抜 01-105 01.05.23 -k1 -r157 -sk4
  降り初めし空明るくて梅雨入かな   ハードエッジ  01.5.23 水

■■開発素句報抜 01-106 01.05.24 -k1 -r157
  四つ角の傘の明るき梅雨入かな    ハードエッジ  01.5.23 水

■■開発素句報抜 01-107 01.05.25 -k2 -r156
  筍の人の背丈となりにけり      ハードエッジ  01.5.25 木
  若竹のまつ直ぐにして曲りたる    ハードエッジ  01.5.25 木


■■■■2001年6月、9句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-108 01.06.05 -k1 -r157 -sk10
  蜘蛛の囲のかかる辺りをぶんぶんと  ハードエッジ  01.6.5 火

■■開発素句報抜 01-109 01.06.06 -k1 -r158
  蜘蛛の糸ぷつんと切れて漂ひぬ    ハードエッジ  01.6.6 水

■■開発素句報抜 01-110 01.06.08 -k1 -r156 -sk1
  あぢさゐに水したたつてゐたりけり  ハードエッジ  01.6.6 水

■■開発素句報抜 01-111 01.06.09 -k1 -r156
  蜘蛛の糸切れて真横に縮むなり    ハードエッジ  01.6.8 金

■■開発素句報抜 01-112 01.06.11 -k1 -r157 -sk1
  薔薇園に薔薇の絢爛水の音      ハードエッジ  01.6.11 月

■■開発素句報抜 01-113 01.06.12 -k1 -r157
  捕まへて笑ふ裸を洗ひやる      ハードエッジ  01.6.12 火

■■開発素句報抜 01-114 01.06.13 -k2 -r158
  真夜中に日付鮮らし紅薔薇      ハードエッジ  01.6.13 水
  銃弾のごとき蕾を紅薔薇       ハードエッジ  01.6.13 水

■■開発素句報抜 01-115 01.06.14 -k1 -r157
  梅漬けて今年も暑くなりさうな    ハードエッジ  01.6.13 水


■■■■2001年7月、40句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-116 01.07.09 -k1 -r159 -sk24
  蜘蛛の囲を破らんとする蝶々かな   ハードエッジ  01.7.8 日

■■開発素句報抜 01-117 01.07.10 -k3 -r159
  蜘蛛よりも大きな蝶のかかりけり   ハードエッジ  01.7.9 月
  大蜘蛛の眠りを覚す蝶々かな     ハードエッジ  01.7.9 月
  蟻地獄となりの蟻地獄を知らず    ハードエッジ  01.7.9 月

■■開発素句報抜 01-118 01.07.11 -k3 -r160
  蜘蛛の囲のまだ穢れなく美しき    ハードエッジ  01.7.10 火
  吹く風に蜘蛛の囲の露落ちにけり   ハードエッジ  01.7.10 火
  蜘蛛の囲の草葉の陰といふところ   ハードエッジ  01.7.10 火

■■開発素句報抜 01-119 01.07.12 -k4 -r158
  Rちゃん、長崎より上京
  長崎の和蘭陀人の金魚かな      ハードエッジ  01.7.11 水
  金魚鉢涼しき衿をそば立てて     ハードエッジ  01.7.11 水
  金魚玉より夕焼けを見てゐるか    ハードエッジ  01.7.11 水
  玄関に紫の灯や熱帯魚        ハードエッジ  01.7.11 水

■■開発素句報抜 01-120 01.07.13 -k4 -r157
  べつたりと西日の影を引きずつて   ハードエッジ  01.7.11 水
  夕風の吹き抜けゆくや夏館      ハードエッジ  01.7.11 水
  風呂に湯のあふれてをるや夏館    ハードエッジ  01.7.11 水
  夏館霧の中よりあらはるる      ハードエッジ  01.7.12 木

■■開発素句報抜 01-121 01.07.14 -k2 -r157
  白玉や玉といへどもみなひしやげ   ハードエッジ  01.7.13 金
  夏痩せて白玉を食ふ男かな      ハードエッジ  01.7.13 金

■■開発素句報抜 01-122 01.07.15 -k1 -r157
  片蔭の浅瀬のごとくありにけり    ハードエッジ  01.7.13 金

■■開発素句報抜 01-123 01.07.16 -k2 -r155
  打水に生れし水玉埃だらけ      ハードエッジ  01.7.16 月
  瓜冷やす水道管に玉の露       ハードエッジ  01.7.16 月

■■開発素句報抜 01-124 01.07.17 -k1 -r156
  磐石の地に打水の吸込まれ      ハードエッジ  01.7.17 火

■■開発素句報抜 01-125 01.07.18 -k1 -r155
  しづしずとわが行く前を撒水車    ハードエッジ  01.7.18 水

■■開発素句報抜 01-126 01.07.19 -k2 -r155
  兄弟や花火終れば行水に       ハードエッジ  01.7.18 水
  妻起きて団扇を使ふ音すなり     ハードエッジ  01.7.18 水

■■開発素句報抜 01-127 01.07.20 -k1 -r155
  丹田に心許なき夏布団        ハードエッジ  01.7.20 金

■■開発素句報抜 01-128 01.07.21 -k1 -r155
  夜濯ぎや明日咲く花の闇の中     ハードエッジ  01.7.21 土

■■開発素句報抜 01-129 01.07.22 -k1 -r155
  早起きの朝の挨拶夏休み       ハードエッジ  01.7.21 土

■■開発素句報抜 01-130 01.07.23 -k1 -r154 -c
  流木の旅路の果の夕立かな      ハードエッジ  01.7.22 日

■■開発素句報抜 01-131 01.07.24 -k3 -r154
  自らの水煙にぬれ撒水車       ハードエッジ  01.7.24 火
  水尽きて踵をかへす撒水車      ハードエッジ  01.7.24 火
  暑さと格闘をして汗だくに      ハードエッジ  01.7.24 火

■■開発素句報抜 01-132 01.07.25 -k1 -r154
  紫に携帯点る蚊帳の中        ハードエッジ  01.7.24 火

■■開発素句報抜 01-133 01.07.26 -k3 -r154
  噴水の高さ日向葵の高さかな     ハードエッジ  01.7.25 水
  夕立来て試合の流れ変りけり     ハードエッジ  01.7.25 水
  猫は寝て入道雲を見てゐたる     ハードエッジ  01.7.25 水

■■開発素句報抜 01-134 01.07.27 -k3 -r154
  灯台に螺旋階段朝の虹        ハードエッジ  01.7.25 水
  羅や羽あるものは浮き上り      ハードエッジ  01.7.26 木
  ほうたるや闇夜の中にある宇宙    ハードエッジ  01.7.26 木

■■開発素句報抜 01-135 01.07.31 -k2 -r153 -sk3
  砂時計裏返されて蟻地獄       ハードエッジ  01.7.30 月
  蒸暑き夜を必死の恋蛍        ハードエッジ  01.7.31 火

■■開発素句報抜 01-136 01.08.01 -k4 -r153 -c
  朝顔のけふをかぎりの花ざかり    ハードエッジ  01.7.31 火
  緑蔭に眠る日焼の子なりけり     ハードエッジ  01.7.31 火
  思ひ出の崩れ止まざる蟻地獄     ハードエッジ  01.7.31 火
  湯のごとき夕立を浴びて棕櫚の花   ハードエッジ  01.7.31 火


■■■■2001年8月、38句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-137 01.08.02 -k1 -r152
  玉の汗きれいに並ぶことのあり    ハードエッジ  01.8.1 火

■■開発素句報抜 01-138 01.08.03 -k1 -r150
  泡ひとつはじけて消えぬ昼寝覚    ハードエッジ  01.8.2 木

■■開発素句報抜 01-139 01.08.04 -k1 -r149
  はたた神湖の鏡を割らんとす     ハードエッジ  01.8.3 金

■■開発素句報抜 01-140 01.08.05 -k1 -r151
  氷水売るや氷と赤く書き       ハードエッジ  01.8.3 金

■■開発素句報抜 01-141 01.08.06 -k1 -r150
  蝋燭の白濁に百物語         ハードエッジ  01.8.5 日

■■開発素句報抜 01-142 01.08.09 -k2 -r154 -sk2
  秋立つや胸をはだけて聴診器     ハードエッジ  01.8.9 木
  秋の声すなはち耳をすますなり    ハードエッジ  01.8.9 木

■■開発素句報抜 01-143 01.08.10 -k2 -r154
  日の暮の遅くなりたる葡萄かな    ハードエッジ  01.8.9 木
  拳より大きな梨を掌に        ハードエッジ  01.8.9 木

■■開発素句報抜 01-144 01.08.11 -k1 -r155
  川を越す車の灯あり雁の棹      ハードエッジ  01.8.11 土

■■開発素句報抜 01-145 01.08.12 -k1 -r155
  秋の夜の万年筆といふいづみ     ハードエッジ  01.8.11 土

■■開発素句報抜 01-146 01.08.13 -k1 -r157
  監督も女優も死して秋の夜      ハードエッジ  01.8.13 月

■■開発素句報抜 01-147 01.08.15 -k1 -r158 -sk1
  母曰く、
  もう1ヶ月早ければ、
  焼けずに済んだものを
  町内のそつくり焼けて敗戦日     ハードエッジ  01.8.5 日

■■開発素句報抜 01-148 01.08.17 -k1 -r158 -sk1 ←改、「-k3」
  ふくらんで無花果の実のやや歪    ハードエッジ  01.8.17 金
  無花果の皮にてらいのなかりけり   ハードエッジ  01.8.17 金
  無花果の熟れて火傷のごときあり   ハードエッジ  01.8.17 金

■■開発素句報抜 01-149 01.08.18 -k1 -r157
  日本は海に浮かんで夜長かな     ハードエッジ  01.8.18 土

■■開発素句報抜 01-150 01.08.19 -k2 -r157
  東京にはやあらはれし秋刀魚かな   ハードエッジ  01.8.18 土
  煙幕の中の火達磨秋刀魚かな     ハードエッジ  01.8.18 土

■■開発素句報抜 01-151 01.08.20 -k2 -r157
  したたりのたちまちほのほ秋刀魚焼く ハードエッジ  01.8.20 月
  ばうばうと火柱立つや秋刀魚焼く   ハードエッジ  01.8.20 月

■■開発素句報抜 01-152 01.08.21 -k3 -r156
  秋風や足長蜂の流さるる       ハードエッジ  01.8.21 火
  終ひ湯に肩を沈めて虫の声      ハードエッジ  01.8.21 火
  秋の夜の湯舟しづかに対流す     ハードエッジ  01.8.21 火

■■開発素句報抜 01-153 01.08.22 -k1 -r155
  うすくうすく研いて秋の水面かな   ハードエッジ  01.8.22 水

■■開発素句報抜 01-154 01.08.23 -k2 -r155
  飯食つて横になりたる秋の夜     ハードエッジ  01.8.22 水
  颱風の故郷映るテレビかな      ハードエッジ  01.8.22 水

■■開発素句報抜 01-155 01.08.25 -k3 -r155 -sk1
  梨一片小舟のごとく濡れてある    ハードエッジ  01.8.23 木
  飛行船夜長の街にかかはらず     ハードエッジ  01.8.25 土
  遠路また楽しからずや秋の雲     ハードエッジ  01.8.25 土

■■開発素句報抜 01-156 01.08.26 -k2 -r155
  木には蝉草には虫のせつなさよ    ハードエッジ  01.8.24 金
  虫の闇より虫の音の湧き出づる    ハードエッジ  01.8.25 土

■■開発素句報抜 01-157 01.08.27 -k1 -r155
  眩しさに顔しかめけり秋の海     ハードエッジ  01.8.27 月

■■開発素句報抜 01-158 01.08.28 -k1 -r156
  がらがらと瑠璃戸開けるや松手入   ハードエッジ  01.8.28 火

■■開発素句報抜 01-159 01.08.29 -k1 -r155
  静けさの菓子食ひをるや秋の夜    ハードエッジ  01.8.29 水

■■開発素句報抜 01-160 01.08.30 -k1 -r156
  グライダーつひに降りくる枯野かな  ハードエッジ  01.8.30 木


■■■■2001年9月、66句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-161 01.09.01 -k1 -r158 -sk1
  断層の美しきかな秋の声       ハードエッジ  01.9.1 土

■■開発素句報抜 01-162 01.09.02 -k2 -r158
  秋晴のぽろぽろ貝の化石かな     ハードエッジ  01.9.2 日
  秋茄子風呂焚かぬ日となりにけり   ハードエッジ  01.9.2 日

■■開発素句報抜 01-163 01.09.03 -k2 -r158
  蓋取れば湯気立上る秋の夜      ハードエッジ  01.9.2 日
  月痩せて風呂を沸す夜わかさぬ夜   ハードエッジ  01.9.2 日

■■開発素句報抜 01-164 01.09.04 -k5 -r157
  天高く鳶のズボンの大いなる     ハードエッジ  01.9.4 火
  秋昼寝骨の中にて血を造る      ハードエッジ  01.9.4 火
  くろがねの鍵にて秋の扉をとざす   ハードエッジ  01.9.4 火
  秋の夜のべんべんとしてもの思ふ   ハードエッジ  01.9.4 火
  かげ日向すなはち秋の彼岸かな    ハードエッジ  01.9.4 火

■■開発素句報抜 01-165 01.09.05 -k2 -r157
  この雨やまがふことなく夏の果    ハードエッジ  01.9.4 火
  秋雨の一直線に電車来る       ハードエッジ  01.9.4 火

■■開発素句報抜 01-166 01.09.07 -k1 -r157 -sk1
  千切つては投げ千切つては投げ秋の雲 ハードエッジ  01.9.6 木

■■開発素句報抜 01-167 01.09.08 -k1 -r158
  朝顔の六尺を枯れ下りそむ      ハードエッジ  01.9.8 土

■■開発素句報抜 01-168 01.09.09 -k1 -r160
  朝顔に白き奈落のありにけり     ハードエッジ  01.9.9 日

■■開発素句報抜 01-169 01.09.10 -k1 -r160 -c
  朝顔の吹き千切らるる野分かな    ハードエッジ  01.9.10 月

■■開発素句報抜 01-170 01.09.11 -k1 -r160
  虫の音やひとつ年取ることもなく   ハードエッジ  01.9.10 月

■■開発素句報抜 01-171 01.09.12 -k3 -r160
  蜘蛛の囲の吹かるる秋となりにけり  ハードエッジ  01.9.11 火
  虫を食み草の色なるすいつちよん   ハードエッジ  01.9.11 火
  黒き虫も緑の虫も闇の中       ハードエッジ  01.9.11 火

■■開発素句報抜 01-172 01.09.13 -k1 -r160
  急ぐまじ右へ左へ秋の川       ハードエッジ  01.9.13 木

■■開発素句報抜 01-173 01.09.14 -k3 -r160
  自らを照す外灯秋の雨        ハードエッジ  01.9.13 木
  踏切は一本の棒秋の雨        ハードエッジ  01.9.13 木
  秋雨の大河を渡る電車かな      ハードエッジ  01.9.13 木

■■開発素句報抜 01-174 01.09.15 -k5 -r161
  朝露にぬれて桔梗の硬結び      ハードエッジ  01.9.14 金
  じやらじやらと物を垂らして秋の人  ハードエッジ  01.9.14 金
  白壁にわが影長き秋の風       ハードエッジ  01.9.14 金
  秋雨にぬれたる石や水の中      ハードエッジ  01.9.14 金
  紫の秘めし紫桔梗かな        ハードエッジ  01.9.14 金

■■開発素句報抜 01-175 01.09.16 -k2 -r158
  雨後といふほの明るさに曼珠沙華   ハードエッジ  01.9.14 金
  実石榴の弾けて胆を潰したる     ハードエッジ  01.9.14 金

■■開発素句報抜 01-176 01.09.17 -k6 -r158
  桔梗のつぼみ風呂敷包みかな     ハードエッジ  01.9.16 日
  膝小僧に咬みつきさうな曼珠沙華   ハードエッジ  01.9.16 日
  日にいくどわが名呼ばるる秋の風   ハードエッジ  01.9.16 日
  葡萄びつしり水も漏らさぬごとくあり ハードエッジ  01.9.16 日
  舌先に葡萄の厚き皮袋        ハードエッジ  01.9.16 日
  みどりなる葡萄みどりの甘さかな   ハードエッジ  01.9.16 日

■■開発素句報抜 01-177 01.09.18 -k1 -r156
  稲は穂を垂れて真赤な曼珠沙華    ハードエッジ  01.9.18 火

■■開発素句報抜 01-178 01.09.19 -k2 -r157
  賑やかに鐘や太鼓や曼珠沙華     ハードエッジ  01.9.19 水
  ポケットのばつたつぶれてしまひけり ハードエッジ  01.9.19 水

■■開発素句報抜 01-179 01.09.20 -k8 -r158
  けふ咲いて朝顔明日咲かぬやも    ハードエッジ  01.9.19 水
  はたはたに虚空は楽し友を呼ぶ    ハードエッジ  01.9.19 水
  手の内のあからさまなる曼珠沙華   ハードエッジ  01.9.19 水
  ことごとくめくれあがつて曼珠沙華  ハードエッジ  01.9.19 水
  曼珠沙華悦楽の蕊延ばしたる     ハードエッジ  01.9.19 水
  曼珠沙華下天の内をくらぶれば    ハードエッジ  01.9.19 水
  レバ焼の冷めゐて甘き夜食かな    ハードエッジ  01.9.19 水
  鉦叩小さき鉦を小さく打つ      ハードエッジ  01.9.20 木

■■開発素句報抜 01-180 01.09.21 -k4 -r158
  ぱつちりと長き睫毛を曼珠沙華    ハードエッジ  01.9.20 木
  曼珠沙華すでに冷たき茎ばかり    ハードエッジ  01.9.20 木
  蟷螂の尻をからげて翔び立てり    ハードエッジ  01.9.20 木
  灯明のいつしか消えて鉦叩      ハードエッジ  01.9.20 木

■■開発素句報抜 01-181 01.09.22 -k2 -r158
  火の色に仏の色に曼珠沙華      ハードエッジ  01.9.20 木
  月の座に月の上りし今宵かな     ハードエッジ  01.9.21 金

■■開発素句報抜 01-182 01.09.23 -k2 -r159
  秋彼岸影引くものは日に照らされ   ハードエッジ  01.9.22 土
  紅玉といふ名の林檎文化の日     ハードエッジ  01.9.22 土

■■開発素句報抜 01-183 01.09.24 -k2 -r159
  無花果の傷口を日に曝したる     ハードエッジ  01.9.23 日
  金色のピンの輝き赤い羽根      ハードエッジ  01.9.23 日

■■開発素句報抜 01-184 01.09.25 -k2 -r159 -c
  秋の日に照らされてゐるものばかり  ハードエッジ  01.9.23 日
  ほつれ毛のごとくやつれて曼珠沙華  ハードエッジ  01.9.25 火

■■開発素句報抜 01-185 01.09.26 -k1 -r158
  野も山も月の夜長となりにけり    ハードエッジ  01.9.26 火

■■開発素句報抜 01-186 01.09.27 -k5 -r158
  秋晴れのその濁流の美しき      ハードエッジ  01.9.26 火
  天高く大きな声で泣く子かな     ハードエッジ  01.9.26 火
  秋の空大きな船の浮びたる      ハードエッジ  01.9.26 火
  秋風や研けば光る鍋の底       ハードエッジ  01.9.26 火
  行く人の後ろ姿や秋の風       ハードエッジ  01.9.26 火


■■■■2001年10月、25句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-187 01.10.05 -k1 -r155 -sk7
  落書きに埋め尽されて秋の家     ハードエッジ  01.10.4 木

■■開発素句報抜 01-188 01.10.06 -k4 -r154
  今年また秋の日差しの墓参      ハードエッジ  01.10.6 土
  めつぶれば金の滴り秋日和      ハードエッジ  01.10.6 土
  秋の日に鋏のごとく照らさるる    ハードエッジ  01.10.6 土
  秋の暮ラジオ体操第二かな      ハードエッジ  01.10.6 土

■■開発素句報抜 01-189 01.10.07 -k1 -r154
  羽衣のいざよう月でありにけり    ハードエッジ  01.10.7 日

■■開発素句報抜 01-190 01.10.08 -k2 -r154
  秋の風手相を舐めてゆきにけり    ハードエッジ  01.10.7 日
  秋の夜の刻印深き石鹸かな      ハードエッジ  01.10.7 日

■■開発素句報抜 01-191 01.10.18 -k1 -r155 -sk9
  秋雨やラジオの楽の切れ切れに    ハードエッジ  01.10.17 水

■■開発素句報抜 01-192 01.10.19 -k2 -r155 -c
  行く秋やぬくき便座にまたがりて   ハードエッジ  01.10.18 木
  王のごとし薔薇色の湯に秋惜む    ハードエッジ  01.10.18 木

■■開発素句報抜 01-193 01.10.20 -k1 -r156
  ゆく秋のぺたりと象の脚の裏     ハードエッジ  01.10.20 土

■■開発素句報抜 01-194 01.10.22 -k1 -r157 -sk1
  秋風や白木の板に釘を打つ      ハードエッジ  01.10.22 月

■■開発素句報抜 01-195 01.10.23 -k1 -r157
  ゆく秋の触れたる小枝ほろと折れ   ハードエッジ  01.10.23 火

■■開発素句報抜 01-196 01.10.24 -k1 -r159
  ゆく秋のすずめの数のつまびらか   ハードエッジ  01.10.24 水

■■開発素句報抜 01-197 01.10.26 -k6 -r163 -sk1
  葉の落ちていよよ熟柿のあからさま  ハードエッジ  01.10.26 金
  日をためて重たくなりし熟柿かな   ハードエッジ  01.10.26 金
  つつかれて肉まき散らす熟柿かな   ハードエッジ  01.10.26 金
  つつかれて袋しぼみし熟柿かな    ハードエッジ  01.10.26 金
  引抜くや熟柿まみれの嘴を      ハードエッジ  01.10.26 金
  熟柿てふ重たきものを皿の上     ハードエッジ  01.10.26 金

■■開発素句報抜 01-198 01.10.27 -k1 -r163
  青蜜柑小さな臍を日に曝し      ハードエッジ  01.10.26 金

■■開発素句報抜 01-199 01.10.28 -k3 -r162
  曼珠沙華絡み合ふ根のありぬべし   ハードエッジ  01.10.26 金
  黒髪の女貪る熟柿かな        ハードエッジ  01.10.27 土
  熟れ柿を貪ることも晩年か      ハードエッジ  01.10.28 日


■■■■2001年11月、23句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-200 01.11.03 -k2 -r160 -sk5
  菊人形小袖をぬらすことのあり    ハードエッジ  01.11.1 木
  夜なべして大きな音の掛時計     ハードエッジ  01.11.2 金

■■開発素句報抜 01-201 01.11.06 -k1 -r159 -sk2
  新しき真白き冬となるために     ハードエッジ  01.11.6 火

■■開発素句報抜 01-202 01.11.09 -k4 -r159 -sk2
  藁塚のたくさんあつて寂しさよ    ハードエッジ  01.11.7 水
  藁塚や背丈を競ふでもなくて     ハードエッジ  01.11.7 水
  藁塚のほかはなんにもなかりけり   ハードエッジ  01.11.7 水
  藁塚や愚かな将に導かれ       ハードエッジ  01.11.8 木

■■開発素句報抜 01-203 01.11.11 -k1 -r159 -sk1
  ぺつたりと大皿に肉神無月      ハードエッジ  01.11.11 日

■■開発素句報抜 01-204 01.11.12 -k1 -r159 -c
  美しき寒さといふもありぬべし    ハードエッジ  01.11.12 月

■■開発素句報抜 01-205 01.11.13 -k1 -r159
  寒晴や子の風船がぱんと消え     ハードエッジ  01.11.13 火

■■開発素句報抜 01-206 01.11.16 -k1 -r158 -sk2
  ぽつちよんとまたぽつちよんと牡蛎を剥く ハードエッジ  01.11.15 木

■■開発素句報抜 01-207 01.11.17 -k1 -r158
  短日や正午の刻を十二打つ      ハードエッジ  01.11.17 土

■■開発素句報抜 01-208 01.11.18 -k1 -r159
  枯蘆の風に立ちけり折れにけり    ハードエッジ  01.11.18 日

■■開発素句報抜 01-209 01.11.19 -k1 -r159
  ひれ伏して夕日あまねき枯野かな   ハードエッジ  01.11.19 月

■■開発素句報抜 01-210 01.11.21 -k1 -r160 -sk1
  糸くづは庭に払ひて日向ぼこ     ハードエッジ  01.11.21 水

■■開発素句報抜 01-211 01.11.22 -k1 -r160
  日向ぼこねこ背といふもよかりけり  ハードエッジ  01.11.21 水

■■開発素句報抜 01-212 01.11.25 -k1 -r162 -sk2
  赤々と灯して寒し電気街       ハードエッジ  01.11.22 木

■■開発素句報抜 01-213 01.11.26 -k1 -r162
  東なる芝白金の初時雨        ハードエッジ  01.11.23 金

■■開発素句報抜 01-214 01.11.27 -k2 -r163
  目覚めたる霜夜の樹々の赤く濡れ   ハードエッジ  01.11.24 土
  小さき眼に大いなる鼻寒鴉      ハードエッジ  01.11.27 火

■■開発素句報抜 01-215 01.11.28 -k1 -r163
  みちのくに煌煌と月雪を待つ     ハードエッジ  01.11.28 水

■■開発素句報抜 01-216 01.11.29 -k1 -r164
  座布団の上の晩年日向ぼこ      ハードエッジ  01.11.29 木

■■開発素句報抜 01-217 01.11.30 -k1 -r165
  月もまた木の葉のごとくありにけり  ハードエッジ  01.11.30 金


■■■■2001年12月、39句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 01-218 01.12.01 -k1 -r165
  干布団ずり落ちさうでゐて落ちず   ハードエッジ  01.11.30 金

■■開発素句報抜 01-219 01.12.04 -k1 -r167 -sk2
  山ほどに本はあれども古日記     ハードエッジ  01.11.30 金

■■開発素句報抜 01-220 01.12.05 -k2 -r164
  鮟鱇の流線形を吊し切る       ハードエッジ  01.12.4 火
  猫缶の餌の寸胴漱石忌        ハードエッジ  01.12.5 水

■■開発素句報抜 01-221 01.12.06 -k6 -r164
  東は日出づるところ都鳥       ハードエッジ  01.12.6 木
  水鳥にしやもじのこゑのありにけり  ハードエッジ  01.12.6 木
  外套や虚実皮膜を裏地とし      ハードエッジ  01.12.6 木
  外を行く風に別れて隙間風      ハードエッジ  01.12.6 木
  暗闇の中にありあり隙間風      ハードエッジ  01.12.6 木
  隙間風出て行く時は無言なり     ハードエッジ  01.12.6 木

■■開発素句報抜 01-222 01.12.07 -k1 -r164
  湯けむりに蜜柑をむいてゐたりけり  ハードエッジ  01.12.7 金

■■開発素句報抜 01-223 01.12.08 -k1 -r164
  服を脱ぐにも皹のありどころ     ハードエッジ  01.12.7 金

■■開発素句報抜 01-224 01.12.10 -k1 -r166 -sk1
  きらきらと時雨過ぎ行くレノンの忌  ハードエッジ  01.12.8 土

■■開発素句報抜 01-225 01.12.14 -k2 -r165 -sk3
  寒晴や給水塔は影を長く       ハードエッジ  01.12.14 金
  寒晴や飛行機雲はふにやと曲り    ハードエッジ  01.12.14 金

■■開発素句報抜 01-226 01.12.15 -k1 -r165
  牡蛎フライちりちり醤油はじきけり  ハードエッジ  01.12.15 土

■■開発素句報抜 01-227 01.12.17 -k1 -r166 -sk1
  寂しからず寒星も座に連なれば    ハードエッジ  01.12.17 月

■■開発素句報抜 01-228 01.12.18 -k1 -r167
  はいはいと二つ返事に年の暮     ハードエッジ  01.12.18 火

■■開発素句報抜 01-229 01.12.21 -k1 -r168 -sk2
  大いなる末広がりに冬木立      ハードエッジ  01.12.20 木

■■開発素句報抜 01-230 01.12.22 -k1 -r168
  極月の裸電球連なりて        ハードエッジ  01.12.22 土

■■開発素句報抜 01-231 01.12.24 -k1 -r168 -sk1
  ふるゆきもわきいづるゆもこんこんと ハードエッジ  01.12.24 月

■■開発素句報抜 01-232 01.12.25 -k3 -r168
  東方に日出る国やクリスマス     ハードエッジ  01.12.24 月
  遠くへと文書く夜や雪降り初む    ハードエッジ  01.12.25 火
  新年の句を考へてをる年の暮     ハードエッジ  01.12.25 火

■■開発素句報抜 01-233 01.12.26 -k1 -r168
  風呂吹やとろ火といへど志      ハードエッジ  01.12.26 水

■■開発素句報抜 01-234 01.12.27 -k1 -r168
  クリスマス余韻といふもなかりけり  ハードエッジ  01.12.27 木

■■開発素句報抜 01-235 01.12.28 -k1 -r168
  湖の上の一艘の舟帰り花       ハードエッジ  01.12.28 金

■■開発素句報抜 01-236 01.12.29 -k1 -r168
  手の届くところにありて帰り花    ハードエッジ  01.12.28 金

■■開発素句報抜 01-237 01.12.30 -k3 -r168
  老夫婦ますます老いて帰り花     ハードエッジ  01.12.29 土
  ばうばうと怒髪の如し冬木立     ハードエッジ  01.12.29 土
  数へ日の数を数へて驚きぬ      ハードエッジ  01.12.29 土

■■開発素句報抜 01-238 01.12.31 -k8 -r168
  木々枯れて草枯れて土枯れにけり   ハードエッジ  01.12.30 日
  数へ日の海苔を炙るに裏おもて    ハードエッジ  01.12.30 日
  大晦日日本晴れでありにけり     ハードエッジ  01.12.30 日
  惜しげなく全てを捨てて行く年よ   ハードエッジ  01.12.30 日
  海に川押出す如く年行けり      ハードエッジ  01.12.30 日
  行く年や雪の如くに齡積みて     ハードエッジ  01.12.30 日
  大年の闇焦がさんと火の猛り     ハードエッジ  01.12.30 日
  行く年の吹雪の中でありにけり    ハードエッジ  01.12.31 月

■■■■以上、2001年、238号、437句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 
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