■■■■開発素句報2002年、126号、272句■■■■

     1月66句  4月9句  7月 0句  10月 5句
     2月45句  5月7句  8月26句  11月 0句
     3月56句  6月0句  9月29句  12月29句    表紙に戻る

■■■■2002年1月、66句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-001 02.01.01 -k1 -r169
  謹賀新年
  初日の出神社仏閣並び立ち      ハードエッジ 2002年元旦

■■開発素句報抜 02-002 02.01.02 -k1 -r167
  白金の浪をけたてて宝舟       ハードエッジ  02.1.1 火

■■開発素句報抜 02-003 02.01.03 -k1 -r167
  鏡餅三日の夜となりにけり      ハードエッジ  02.1.3 木

■■開発素句報抜 02-004 02.01.04 -k3 -r168
  二時過ぎていつしか四時やお元日   ハードエッジ  01.12.25 火
  新しき年の始めのむら雀       ハードエッジ  02.1.1 火
  海山も一つ年取る初霞        ハードエッジ  02.1.4 金

■■開発素句報抜 02-005 02.01.05 -k9 -r168
  雪に咲く松の緑も花の春       ハードエッジ  02.1.4 金
  あげし帆に大きく宝宝船       ハードエッジ  02.1.4 金
  富士は闇を新玉の日は海を出づ    ハードエッジ  02.1.4 金
  初富士の南廻りに日の歩み      ハードエッジ  02.1.4 金
  各地よりわが名集る年賀状      ハードエッジ  02.1.4 金
  美しくわが名書かれし年賀状     ハードエッジ  02.1.4 金
  息吐いて初夢忘れやすきかな     ハードエッジ  02.1.4 金
  美しく弄ばるる手毬かな       ハードエッジ  02.1.4 金
  歌留多会雪の俥を待たせある     ハードエッジ  02.1.4 金

■■開発素句報抜 02-006 02.01.06 -k2 -r169
  寒椿和菓子のごとくありにけり    ハードエッジ  02.1.5 土
  雨よりも木々の冷たき草城忌     ハードエッジ  02.1.5 土

■■開発素句報抜 02-007 02.01.07 -k3 -r169
  寒椿ぽつくり咲いてゐたりけり    ハードエッジ  02.1.6 日
  寒鯉の重たくなつて沈みけり     ハードエッジ  02.1.7 月
  寒の水枝の先まで通ふらん      ハードエッジ  02.1.7 月

■■開発素句報抜 02-008 02.01.08 -k1 -r169
  びしよびしよの硝子戸に差す冬日かな ハードエッジ  02.1.8 火

■■開発素句報抜 02-009 02.01.12 -k2 -r170 -sk3
  探梅の伊達の薄着でありにけり    ハードエッジ  02.1.9 水
  冬日濃し硬き乳房の如くあり     ハードエッジ  02.1.9 水

■■開発素句報抜 02-010 02.01.13 -k7 -r170
  若水を汲むべき桶の注連飾      ハードエッジ  02.1.11 金
  闇出づる富士の高嶺や初雀      ハードエッジ  02.1.11 金
  手毬唄今年七つの女の子       ハードエッジ  02.1.11 金
  隣りより声の良き子の手毬唄     ハードエッジ  02.1.11 金
  裏山に唄を忘れし手毬かな      ハードエッジ  02.1.11 金
  肩触れて火花を散らす喧嘩独楽    ハードエッジ  02.1.11 金
  雪つぶて大き背中でありにけり    ハードエッジ  02.1.11 金

■■開発素句報抜 02-011 02.01.14 -k1 -r170
  成人式壇上小さく見下ろして     ハードエッジ  02.1.14 月

■■開発素句報抜 02-012 02.01.15 -k1 -r170
  降る星は氷の夜を貫いて       ハードエッジ  02.1.15 火

■■開発素句報抜 02-013 02.01.16 -k2 -r170
  冬の蝶日矢に射られてゐたりけり   ハードエッジ  02.1.16 水
  荒星に遠く紅梅点りけり       ハードエッジ  02.1.16 水

■■開発素句報抜 02-014 02.01.17 -k2 -r170
  荒波が頭上を過る海鼠かな      ハードエッジ  02.1.16 水
  荒星や夜はしんしんと海の上     ハードエッジ  02.1.16 水

■■開発素句報抜 02-015 02.01.18 -k2 -r170
  凍鶴や磁石は赤と銀に塗られ     ハードエッジ  02.1.18 金
  川は曲り運河は折れて都鳥      ハードエッジ  02.1.18 金

■■開発素句報抜 02-016 02.01.19 -k1 -r169
  煉炭の燃え殻傾ぐ水たまり      ハードエッジ  02.1.19 土

■■開発素句報抜 02-017 02.01.20 -k1 -r169
  着ぶくれてまた雑巾を縫ひ始む    ハードエッジ  02.1.20 日

■■開発素句報抜 02-018 02.01.21 -k3 -r170
  白と黄の寒さに強き花なりけり    ハードエッジ  02.1.20 日
  水仙のこつくりとして花ひらく    ハードエッジ  02.1.20 日
  山茶花の紅を踏みにじりたる     ハードエッジ  02.1.20 日

■■開発素句報抜 02-019 02.01.22 -k2 -r172
  目も鼻も笑ひ転げて福笑       ハードエッジ  02.1.21 月
  四五人の小便かける雪だるま     ハードエッジ  02.1.21 月

■■開発素句報抜 02-020 02.01.23 -k1 -r172
  埋火や掻き出さんとして割るる    ハードエッジ  02.1.22 火

■■開発素句報抜 02-021 02.01.24 -k1 -r169
  裸木の一幹にして千の枝       ハードエッジ  02.1.24 木

■■開発素句報抜 02-022 02.01.25 -k4 -r169
  午後すでに後姿の冬日かな      ハードエッジ  02.1.25 金
  目の高さなれど遠くに冬日かな    ハードエッジ  02.1.25 金
  冬の日のわが手を差伸べるあたり   ハードエッジ  02.1.25 金
  高々と真夜中にある冬の月      ハードエッジ  02.1.25 金

■■開発素句報抜 02-023 02.01.26 -k2 -r169
  福寿草明治生れでありにけり     ハードエッジ  02.1.25 金
  福寿草雪を解かしてゐたりけり    ハードエッジ  02.1.25 金

■■開発素句報抜 02-024 02.01.27 -k7 -r169
  箒目の上の足跡霜の庭        ハードエッジ  02.1.26 土
  ふる雨にたき火のあとのながれそむ  ハードエッジ  02.1.26 土
  枯山のふところ深く谺かな      ハードエッジ  02.1.26 土
  雪折の痛々しきや美しき       ハードエッジ  02.1.26 土
  篭りをる一ツ目小僧寒牡丹      ハードエッジ  02.1.26 土
  枯山のあはれに月の光かな      ハードエッジ  02.1.26 土
  眠る山月の光の中にかな       ハードエッジ  02.1.26 土

■■開発素句報抜 02-025 02.01.29 -k3 -r169 -sk1
  道広く建物低く冬嶺かな       ハードエッジ  02.1.29 火
  四ツ角の点らぬ町の冬嶺かな     ハードエッジ  02.1.29 火
  日没のますます寒くなりしかな    ハードエッジ  02.1.29 火

■■開発素句報抜 02-026 02.01.31 -k3 -r169 -sk1
  また一つ句を賜はるや寒玉子     ハードエッジ  02.1.31 木
  寒玉子ざらりと肌の美しき      ハードエッジ  02.1.31 木
  立つ鳥の跡に残りし寒玉子      ハードエッジ  02.1.31 木


■■■■2002年2月、45句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-027 02.02.01 -k1 -r169
  浮寝鳥疲れし鳥もありぬべし     ハードエッジ  02.1.31 木

■■開発素句報抜 02-028 02.02.02 -k2 -r168 -hp165
  雪うさぎ赤い眼玉のありにけり    ハードエッジ  02.2.2 土
  うつすらと蓋に埃やひび薬      ハードエッジ  02.2.2 土

■■開発素句報抜 02-029 02.02.03 -k3 -r167
  赤鬼を打ち青鬼をやらひけり     ハードエッジ  02.2.3 日
  赤く太り青く痩せたる鬼やらふ    ハードエッジ  02.2.3 日
  青ざめし後姿や鬼やらひ       ハードエッジ  02.2.3 日

■■開発素句報抜 02-030 02.02.04 -k4 -r167
  つばくらや郵便受に書状刺さり    ハードエッジ  02.2.4 月
  雨足は見えず柳の芽なりけり     ハードエッジ  02.2.4 月
  新しき指貫硬し春の雪        ハードエッジ  02.2.4 月
  縫ふ針も止めおく針も春の雪     ハードエッジ  02.2.4 月

■■開発素句報抜 02-031 02.02.05 -k1 -r167
  うすら氷を割るやどろどろ泥煙    ハードエッジ  02.2.5 火

■■開発素句報抜 02-032 02.02.06 -k1 -r167
  春の雪眉毛に積るほどにかな     ハードエッジ  02.2.6 水

■■開発素句報抜 02-033 02.02.07 -k1 -r168
  船の窓丸く点りぬ春の雪       ハードエッジ  02.2.7 木

■■開発素句報抜 02-034 02.02.08 -k2 -r168
  活けられて桃の一枝の大いなる    ハードエッジ  02.2.8 金
  桃活けて柳を活けて大広間      ハードエッジ  02.2.8 金

■■開発素句報抜 02-035 02.02.09 -k3 -r168
  麗かやよだれ掛けして腕まくり    ハードエッジ  02.2.8 金
  駅あれば止る電車や桃の花      ハードエッジ  02.2.8 金
  眠る如くテレビの前に母の春     ハードエッジ  02.2.8 金

■■開発素句報抜 02-036 02.02.11 -k1 -r170 -sk1
  物の芽も囀るものの類にて      ハードエッジ  02.2.11 月

■■開発素句報抜 02-037 02.02.12 -k2 -r170
  春暁や乳首を立てて哺乳瓶      ハードエッジ  02.2.11 月
  春の蔵すなはち春の塀の中      ハードエッジ  02.2.11 月

■■開発素句報抜 02-038 02.02.13 -k1 -r170
  チューリップカレーライスの辛きかな ハードエッジ  02.2.13 水

■■開発素句報抜 02-039 02.02.14 -k2 -r170
  雪の年少なくなりぬ紀元節      ハードエッジ  02.2.13 水
  バレンタインディ女子供の美しき   ハードエッジ  02.2.14 木

■■開発素句報抜 02-040 02.02.15 -k2 -r171
  春は野に鯨は海に潮吹くよ      ハードエッジ  02.2.14 木
  こみちゃん誕生日
  ほつぺたのふつくらと春来りけり   ハードエッジ  02.2.14 木

■■開発素句報抜 02-041 02.02.16 -k3 -r170
  金銀の愁ひにも似て朝寝かな     ハードエッジ  02.2.15 金
  さへづるや童顔の人顔大き      ハードエッジ  02.2.15 金
  啓蟄の野にのたうつや捨畳      ハードエッジ  02.2.15 金

■■開発素句報抜 02-042 02.02.19 -k2 -r171 -sk2
  春の日に光つてゐるは時計かな    ハードエッジ  02.2.19 火
  春風になでられてゐる亀の腹     ハードエッジ  02.2.19 火

■■開発素句報抜 02-043 02.02.20 -k3 -r171
  みいちゃん誕生日、
  n年前の当日はさぞや
  火柱のごとき産声春あけぼの     ハードエッジ  02.2.19 火
  春風の中にするめとなる途中     ハードエッジ  02.2.20 木
  春の月水のあふるる音すなり     ハードエッジ  02.2.20 水

■■開発素句報抜 02-044 02.02.22 -k1 -r170 -sk1
  闇の中より恋猫の笑ひ声       ハードエッジ  02.2.22 金

■■開発素句報抜 02-045 02.02.23 -k1 -r170
  ぐじゆぐじゆと紅梅たぎる夜なりけり ハードエッジ  02.2.22 金

■■開発素句報抜 02-046 02.02.24 -k1 -r173
  一群去つてまた一群の百千鳥     ハードエッジ  02.2.24 日

■■開発素句報抜 02-047 02.02.25 -k1 -r173
  こみちゃん、初孫(2.23)
  孫をえて婆となりたる桃の花     ハードエッジ  02.2.25 月

■■開発素句報抜 02-048 02.02.26 -k6 -r174
  晴れ間より日の射しこめる春の雨   ハードエッジ  02.2.23 土
  水を得て春の小川の魚かな      ハードエッジ  02.2.25 月
  トーストに春あけぼのの黒けむり   ハードエッジ  02.2.26 火
  春の風邪うづらの卵落しけり     ハードエッジ  02.2.26 火
  大いなる丸かいてちよんちよん日の永き ハードエッジ  02.2.26 火
  乳白くかかれし絵馬やチューリップ  ハードエッジ  02.2.26 火

■■開発素句報抜 02-049 02.02.27 -k1 -r171
  菜の花の鈴振るごとく花こぼす    ハードエッジ  02.2.27 水


■■■■2002年3月、56句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-050 02.03.01 -k1 -r171 -sk1 -hp288
  夕方の雨にうるんで二月尽      ハードエッジ  02.2.28 木

■■開発素句報抜 02-051 02.03.02 -k2 -r171
  ぽかぽかと春の頭をたたかれて    ハードエッジ  02.3.1 金
  春の猫春の小川を歌ふかな      ハードエッジ  02.3.1 金

■■開発素句報抜 02-052 02.03.05 -k1 -r172 -sk2
  東風吹くやうすくれなゐにさみどりに ハードエッジ  02.3.5 火

■■開発素句報抜 02-053 02.03.07 -k7 -r172 -sk1
  海遠く川の流るる日永かな      ハードエッジ  02.3.6 水
  片栗よ木の間隠れの恋人よ      ハードエッジ  02.3.6 水
  蜆舟人かげ黒くありにけり      ハードエッジ  02.3.6 水
  夕東風に舞妓の通る柳かな      ハードエッジ  02.3.6 水
  藁持てば小旗のごとき目刺かな    ハードエッジ  02.3.6 水
  目刺目刺のど元白く連なりて     ハードエッジ  02.3.6 水
  目刺目刺あはれに寸の揃ひたる    ハードエッジ  02.3.6 水

■■開発素句報抜 02-054 02.03.08 -k2 -r172
  この篭に蓬摘まんと連れ出しぬ    ハードエッジ  02.3.7 木
  くるぶしにせせらぎ光る蜆取り    ハードエッジ  02.3.7 木

■■開発素句報抜 02-055 02.03.09 -k3 -r173
  湖はのつぺら坊や春の昼       ハードエッジ  02.3.8 金
  海底を逃るるごとく揚雲雀      ハードエッジ  02.3.9 土
  鳴き声の火花のごとく揚雲雀     ハードエッジ  02.3.8 金

■■開発素句報抜 02-056 02.03.10 -k5 -r173
  啓蟄や乾き初めたる土の色      ハードエッジ  02.3.9 土
  蓋取れば絵具の匂ひチューリップ   ハードエッジ  02.3.9 土
  天蓋を開き初めたるチューリップ   ハードエッジ  02.3.9 土
  蕊立てて広間のごとしチューリップ  ハードエッジ  02.3.9 土
  箍ゆるみ腰の抜けたるチューリップ  ハードエッジ  02.3.9 土

■■開発素句報抜 02-057 02.03.11 -k1 -r175
  田楽や末広がりに皿の上       ハードエッジ  02.3.11 月

■■開発素句報抜 02-058 02.03.12 -k2 -r175
  くれなゐや姫や桜や鱒の春      ハードエッジ  02.3.11 月
  踊り出るごとくに芽吹きチューリップ ハードエッジ  02.3.11 月

■■開発素句報抜 02-059 02.03.13 -k6 -r175
  春暁の鐘打ちをれば電車来る     ハードエッジ  02.3.12 火
  芽柳や泉のごとく吹上がる      ハードエッジ  02.3.12 火
  永き日の辛子の色にカーディガン   ハードエッジ  02.3.12 火
  春昼や釦隠れに釦の穴        ハードエッジ  02.3.12 火
  春宵や小鉢の辛子ねりに練る     ハードエッジ  02.3.12 火
  春の夜の深く刺し込む銀の鍵     ハードエッジ  02.3.12 火

■■開発素句報抜 02-060 02.03.14 -k4 -r175
  もも色の重たき花に桜もち      ハードエッジ  02.3.13 水
  もも色の透けて漆黒桜餅       ハードエッジ  02.3.13 水
  永き日の果なる夕焼すでになし    ハードエッジ  02.3.13 水
  春の夜の炬燵に化ける狐かな     ハードエッジ  02.3.13 水

■■開発素句報抜 02-061 02.03.15 -k4 -r175
  うすら氷に落ちて砕けし玉椿     ハードエッジ  02.3.13 水
  紅梅は厳と芽柳は吹かれをる     ハードエッジ  02.3.13 水
  食めば葉のちぎるる音や桜もち    ハードエッジ  02.3.14 木
  皿に残る鴬餅のみどりの粉      ハードエッジ  02.3.14 木

■■開発素句報抜 02-062 02.03.16 -k2 -r175
  春雨の見えず電車の窓くもり     ハードエッジ  02.3.15 金
  春雨やうすももいろにさみどりに   ハードエッジ  02.3.16 土

■■開発素句報抜 02-063 02.03.17 -k3 -r175
  さみどりの柳の風となりにけり    ハードエッジ  02.3.16 土
  梅暮れて柳も暮れてしまひけり    ハードエッジ  02.3.16 土
  星々やまだ紅梅は莟にて       ハードエッジ  02.3.16 土

■■開発素句報抜 02-064 02.03.19 -k2 -r174 -sk1
  花辛夷咲いて浮力のごときもの    ハードエッジ  02.3.19 火
  初花やななめに切つて竹の先     ハードエッジ  02.3.17 日

■■開発素句報抜 02-065 02.03.22 -k1 -r174 -sk2
  空高く芽ぶく緑のありにけり     ハードエッジ  02.3.21 木

■■開発素句報抜 02-066 02.03.29 -k5 -r174 -sk6
  春の波少しく島を削りつつ      ハードエッジ  02.3.29 金
  菜の花や杖の如くにまぶしかり    ハードエッジ  02.3.29 金
  ふらここや時が伸びたり縮んだり   ハードエッジ  02.3.29 金
  菜の花や祖母といふ名のおばあちやん ハードエッジ  02.3.29 金
  波音の消え行く方に春の月      ハードエッジ  02.3.29 金

■■開発素句報抜 02-067 02.03.30 -k2 -r174
  蒔く種の土にまぎれてしまひけり   ハードエッジ  02.3.30 土
  つばくらめ夕日は山の懐へ      ハードエッジ  02.3.30 土

■■開発素句報抜 02-068 02.03.31 -k3 -r174
  花の間を追ひつ追はれつ小鳥かな   ハードエッジ  02.3.31 日
  花の間を逃るる鳥のもう一羽     ハードエッジ  02.3.31 日
  花びらは風の便りといふべかり    ハードエッジ  02.3.31 日


■■■■2002年4月、9句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-069 02.04.01 -k1 -r174 -hp391
  晴れてよし降つてまたよし朝寝かな  ハードエッジ  02.3.30 土

■■開発素句報抜 02-070 02.04.02 -k2 -r174
  花に吹き驚く風もあるならむ     ハードエッジ  02.4.2 火
  花びらのちぎられしあと甘からむ   ハードエッジ  02.4.2 火

■■開発素句報抜 02-071 02.04.03 -k1 -r174
  花隠れてふ鳥たちの遊びあり      ハードエッジ  02.4.3 水

■■開発素句報抜 02-072 02.04.05 -k1 -r173 -sk1
  夕暮のあやしき春の嵐かな      ハードエッジ  02.4.5 金

■■開発素句報抜 02-073 02.04.06 -k1 -r172
  頬染めて楊貴妃桜咲きにけり     ハードエッジ  02.4.6 土

■■開発素句報抜 02-074 02.04.13 -k1 -r171 -sk6 -ad(NIS2002)
  蝶舞ふや花にも小さき乳房ありて   ハードエッジ  02.4.13 土

■■開発素句報抜 02-075 02.04.17 -k1 -r171 -sk3 -c
  春雨の葉裏にひそむ虫もあらむ    ハードエッジ  02.4.17 水

■■開発素句報抜 02-076 02.04.20 -k1 -r173 -sk2
  春雨の若草色の蛙かな        ハードエッジ  02.4.17 水


■■■■2002年5月、7句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-077 02.05.07 -k1 -r168 -sk16 -hp494
  はつ夏のごはんをたべて学こうへ   ハードエッジ  02.5.7 火

■■開発素句報抜 02-078 02.05.20 -k1 -r170 -sk12
  あぢさゐの葉の真青に五月かな    ハードエッジ  02.5.20 月

■■開発素句報抜 02-079 02.05.21 -k1 -r170
  青空に真白き夏の館かな       ハードエッジ  02.5.21 火

■■開発素句報抜 02-080 02.05.22 -k1 -r170
  蟇目の玉ふたつこぼるるよ      ハードエッジ  02.5.22 水

■■開発素句報抜 02-081 02.05.23 -k3 -r169
  日に向けて傘の角あり梅雨晴間    ハードエッジ  02.5.22 水
  でで虫を乗せたる葉つぱ食はれをる  ハードエッジ  02.5.23 木
  湯けむりの緑の山の昼ごはん     ハードエッジ  02.5.22 水


■■■■2002年6月、0句■■■■■■■■■■■■■■■■■■


■■■■2002年7月、0句■■■■■■■■■■■■■■■■■■


■■■■2002年8月、26句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-082 02.08.10 -k1 -r147 -sk78
  立秋のおてふきに湯気ありにけり   ハードエッジ  02.8.10 土

■■開発素句報抜 02-083 02.08.11 -k1 -r147
  今朝秋の箸の先なる貝の殻      ハードエッジ  02.8.11 日

■■開発素句報抜 02-084 02.08.12 -k1 -r147
  新涼の石鹸箱も新しき        ハードエッジ  02.8.12 月

■■開発素句報抜 02-085 02.08.13 -k1 -r147
  爽やかに明日を言つて別れけり    ハードエッジ  02.8.13 火

■■開発素句報抜 02-086 02.08.14 -k1 -r147
  臍の如ありぬ八月十五日       ハードエッジ  02.8.14 水

■■開発素句報抜 02-087 02.08.15 -k2 -r147
  一年に一度八月十五日        ハードエッジ  02.8.15 木
  小さき蟻まだまだ小さき蟻もゐて   ハードエッジ  02.8.15 木

■■開発素句報抜 02-088 02.08.16 -k2 -r148
  秋は夜汽車哀しき汽笛長く引いて   ハードエッジ  02.8.15 木
  二百十日大きな辞書が置かれある   ハードエッジ  02.8.15 木

■■開発素句報抜 02-089 02.08.17 -k1 -r148
  駅哀し秋雨へ灯をこぼしつつ     ハードエッジ  02.8.16 金

■■開発素句報抜 02-090 02.08.18 -k2 -r148
  こつてりと耳垢取るる残暑かな    ハードエッジ  02.8.17 土
  やはらいで来たる暑さに風も出て   ハードエッジ  02.8.17 土

■■開発素句報抜 02-091 02.08.19 -k1 -r149
  稲妻や闇うつくしく流れそむ     ハードエッジ  02.8.18 日

■■開発素句報抜 02-092 02.08.20 -k1 -r150
  秋風や眠るがごとく石頭       ハードエッジ  02.8.18 日

■■開発素句報抜 02-093 02.08.21 -k1 -r151
  秋風やたうたうと瀬をたぎらせて   ハードエッジ  02.8.20 火

■■開発素句報抜 02-094 02.08.22 -k1 -r151
  幹は太く枝は細くて秋の風      ハードエッジ  02.8.22 木

■■開発素句報抜 02-095 02.08.23 -k6 -r152
  尻馬に乗り秋風に吹かるるよ     ハードエッジ  02.8.22 木
  鯉の顔真赤に浮いて秋の空      ハードエッジ  02.8.22 木
  とんとんととんからりんと秋の空   ハードエッジ  02.8.22 木
  さつちやんのバナナも月に供へある  ハードエッジ  02.8.22 木
  金の月銀の芒に誘はれ        ハードエッジ  02.8.22 木
  明らかに月の光のなせるわざ     ハードエッジ  02.8.22 木

■■開発素句報抜 02-096 02.08.24 -k4 -r153
  姪、裕斐誕生日
  秋晴の六年生よ走れ走れ       ハードエッジ  02.8.23 金
  秋風や前歯といえば栗鼠うさぎ    ハードエッジ  02.8.23 金
  秋の日のぺろりと消えてしまひけり  ハードエッジ  02.8.23 金
  秋雨に小さき朝顔昼ごはん      ハードエッジ  02.8.23 金


■■■■2002年9月、29句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-097 02.09.01 -k1 -r153 -sk7 -hp1042
  颱風の近づいてゐる厨かな      ハードエッジ  02.9.1 日

■■開発素句報抜 02-098 02.09.02 -k1 -r153
  長き夜の影あるものを卓の上     ハードエッジ  02.9.2 月

■■開発素句報抜 02-099 02.09.03 -k1 -r153
  日のよはひ月の齡や夜の長き     ハードエッジ  02.9.3 火

■■開発素句報抜 02-100 02.09.04 -k1 -r153
  やせた月も太つた月も草の花     ハードエッジ  02.9.4 水

■■開発素句報抜 02-101 02.09.06 -k1 -r152 -sk1
  山からの風山からの秋の風      ハードエッジ  02.9.6 金

■■開発素句報抜 02-102 02.09.07 -k2 -r152
  朝顔の雨をこらへてゐたりけり    ハードエッジ  02.9.6 金
  朝顔に連発といふ心意気       ハードエッジ  02.9.6 金

■■開発素句報抜 02-103 02.09.08 -k1 -r152
  朝顔の白き列柱稲びかり       ハードエッジ  02.9.7 土

■■開発素句報抜 02-104 02.09.09 -k2 -r151
  あさがほのからまりあつてもどかしき ハードエッジ  02.9.9 月
  朝顔に繙く心なかりけり       ハードエッジ  02.9.9 月

■■開発素句報抜 02-105 02.09.11 -k2 -r150 -sk1
  仕事また愉しからずや休暇明     ハードエッジ  02.9.11 水
  葉鶏頭福助頭大きかり        ハードエッジ  02.9.11 水

■■開発素句報抜 02-106 02.09.12 -k1 -r150
  仲秋や畳んで捨てるケーキの箱    ハードエッジ  02.9.11 水

■■開発素句報抜 02-107 02.09.21 -k1 -r151 -sk8
  船行くや大きな月がこんばんは    ハードエッジ  02.9.20 金

■■開発素句報抜 02-108 02.09.22 -k3 -r151
  秋雨の窓打つ雨となりにけり     ハードエッジ  02.9.22 日
  秋雨の雫落ればこなごなに      ハードエッジ  02.9.22 日
  びしよびしよの地べたの上に秋の雨  ハードエッジ  02.9.22 日

■■開発素句報抜 02-109 02.09.24 -k2 -r152 -sk1
  豊年や坊主頭の弟と         ハードエッジ  02.9.24 火
  自らの気配を消して龍の玉      ハードエッジ  02.9.24 火

■■開発素句報抜 02-110 02.09.25 -k1 -r149
  秋晴や青といふ字の赤に似て     ハードエッジ  02.9.25 水

■■開発素句報抜 02-111 02.09.26 -k1 -r150
  ふるさとのひとつほろびて流れ星   ハードエッジ  02.9.25 水

■■開発素句報抜 02-112 02.09.27 -k1 -r153
  ある人のメールマガジン千号となる
  虫のこゑ一千一夜物語        ハードエッジ  02.9.27 金

■■開発素句報抜 02-113 02.09.28 -k3 -r155
  角生えて子鬼可愛や曼珠沙華     ハードエッジ  02.9.27 金
  曼珠沙華しづかに亀の歩むかな    ハードエッジ  02.9.27 金
  秋草の長き葉先や虫乗せて      ハードエッジ  02.9.28 土

■■開発素句報抜 02-114 02.09.29 -k1 -r157
  鶏頭や正義のごとく頑なに      ハードエッジ  02.9.28 土

■■開発素句報抜 02-115 02.09.30 -k3 -r155
  蟷螂の朝日を浴びてゐたりけり    ハードエッジ  02.9.29 日
  あちこちに同じ高さに曼珠沙華    ハードエッジ  02.9.27 金
  曼珠沙華影といふものなかりけり   ハードエッジ  02.9.27 金


■■■■2002年10月、5句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-116 02.10.01 -k1 -r155 -hp1205
  軽やかに曲らんとするたうがらし   ハードエッジ  02.10.1 火

■■開発素句報抜 02-117 02.10.02 -k1 -r157
  ハイヒールよりも真赤にたうがらし  ハードエッジ  02.10.2 水

■■開発素句報抜 02-118 02.10.06 -k3 -r156 -sk3
  積みに積む本の闇より虫の声     ハードエッジ  02.10.6 日
  満月のやうなはららご零しつつ    ハードエッジ  02.10.6 日
  生も死もごちやごちやにして鮭の川  ハードエッジ  02.10.6 日


■■■■2002年11月、0句■■■■■■■■■■■■■■■■■■


■■■■2002年12月、29句■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■■開発素句報抜 02-119 02.12.24 -k3 -r149 -sk78 -hp1539
  三の酉火の粉を浴びてゐたりけり   ハードエッジ 2002.12.23 (月)
  ふろふきをふき沢庵を齧りをる    ハードエッジ 2002.12.22 (日)
  風呂吹や打出鍋をこつと置き     ハードエッジ 2002.12.22 (日)

■■開発素句報抜 02-120 02.12.25 -k4 -r147
  紅白の断層クリスマスケーキ     ハードエッジ 2002.12.24 (火)
  うれしさや柚子湯の香りして妻子   ハードエッジ 2002.12.24 (火)
  雪吊りをして初雪を待てりけり    ハードエッジ 2002.12.24 (火)
  雪吊りの綱初雪に点りけり      ハードエッジ 2002.12.24 (火)

■■開発素句報抜 02-121 02.12.26 -k1 -r146
  木を守るやう凩といふ文字      ハードエッジ 2002.12.26 (木) 10:55 am

■■開発素句報抜 02-122 02.12.27 -k4 -r146
  数へ日や古き本売る古本屋      ハードエッジ 2002.12.27 (金)
  数へ日の蜘蛛の囲に蜘蛛をらずなり  ハードエッジ 2002.12.27 (金)
  数へ日の田畑に風の吹きわたる    ハードエッジ 2002.12.27 (金)
  四つ角に人澱みたる師走かな     ハードエッジ 2002.12.26 (木)

■■開発素句報抜 02-123 02.12.28 -k4 -r146
  かがりが花を散らすや大晦日     ハードエッジ 2002.12.28 (土)
  ゆく年を大いなる火で送りけり    ハードエッジ 2002.12.28 (土)
  ゆく年や寺寺は火を赤うして     ハードエッジ 2002.12.28 (土)
  行年のつき当りたる厠かな      ハードエッジ 2002.12.27 (金)

■■開発素句報抜 02-124 02.12.29 -k6 -r148
  ゆく年や小さきところに小さき虫   ハードエッジ 2002.12.28 (土)
  ゆく年や遠くの見えるとほめがね   ハードエッジ 2002.12.28 (土)
  金の薬罐銀の湯婆に湯を注ぐ     ハードエッジ 2002.12.29 (日)
  湯たんぽを運ぶたつぷんたつぷんと  ハードエッジ 2002.12.29 (日)
  湯たんぽのかたち小判のかたちかな  ハードエッジ 2002.12.29 (日)
  花生けて炭活けて年つまりたる    ハードエッジ 2002.12.29 (日)

■■開発素句報抜 02-125 02.12.30 -k2 -r148
  風邪に寝て風邪の句さへも浮ばざる  ハードエッジ 2002.12.30 (月)
  咳込めば苦し咳止めば切なし     ハードエッジ 2002.12.30 (月)

■■開発素句報抜 02-126 02.12.31 -k5 -r148
  一つ出れば必ず二つはつくしよん   ハードエッジ 2002.12.31 (火)
  水洟やいつしか流れながれ落つ    ハードエッジ 2002.12.31 (火)
  水洟やぽたりと落る膝の上      ハードエッジ 2002.12.31 (火)
  水洟や涙のやうに清らかに      ハードエッジ 2002.12.31 (火)
  美しき水洟たれて哀れなり      ハードエッジ 2002.12.31 (火)

■■■■以上、2002年、126号、272句■■■■■■■■■■■■■■■■■■


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